公開から3ヶ月あまりで日本国内での興行収入は200億円を突破しました。
スタジオジブリの「もののけ姫」の193億円を上回り、海外からも大きく注目されている作品です。

ファニメーションのFacebookタイムラインで2017年1月にアメリカでも「君の名は。」が公開されることが明らかになりました。

『君の名は。』が英国&アイルランドで驚異的な記録を打ち立てた。
11月25日限定で本作の公開館数を104館に拡大したところ、その日だけで興収10万8,372ポンド(約1,530万円)を記録。
アニメ映画としては公開館数・1日の売上成績ともに同国最大の規模となった。

イギリス・アイルランドで日本のアニメ映画が104の映画館で公開されたことは史上最多の快挙です。
1日の興収も歴代1位10万8,372ポンドを記録しました。これは「千と千尋の神隠し」「思い出のマーニー」を抜いての記録です。
「イギリスにはもっとアニメ映画産業に力をいれてほしい」などの意見もあり、映画レビューサイトや専門誌でも高い評価を得ています。

中国で大人気も、日本は全く儲からない!?

各国で絶賛されている「君の名は。」ですが、中国でも人気が高く、高い興行収入を記録しつづけています。
その一方で、「君の名は。」が中国で人気を博しても、日本は儲からないと言われています。

2016年12月6日、日本のアニメーション映画「君の名は。」が12月2日に中国で公開されてから、興行収入はすでに3億元(約50億円)に迫っていると伝えられているが、中国のネットメディアは「興行収入がいくら高くても日本はもうからない」と報じている。

これはどういうことでしょうか?

原因は中国の映画輸入制度だった!

中国で放映される海外作品には主に、あらかじめ分配率を定める方法と買い取りの2種類があり、それぞれ年間で一定の本数制限が設けられている。

例えば、配給収入10億円の映画があったとします。
そこから宣伝費やフリーペーパーなどの費用を差し引きます。
結果、7億円程度が残り、これが映画の純利益となります。
次には純利益から配給手数料を引きます。
配給手数料とは配給を受け持った会社(映画を公開する権利を得た会社)に支払われるものです。
この配給手数料は、2~3割と言われていますが、会社によって異なります。
ここでは配給手数料を3割=3億円にして計算します。
この3億円は出資した会社(スポンサー)へ分配されます。

配給収入:  10億円
宣伝費等: - 3億円
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純利益:    7億円
配給手数料: -3億円
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残り  :  4億円

この結果、「配給収入10億円の映画」があったとしても、実際に制作者の利益となるのは「4億円」となるのです。
(※わかりやすさを重視した大雑把な計算になります)

「君の名は。」は後者に当たり、映画製作大手の光線伝媒がわずか2000万元(約3億3000万円)ほどで配給の権利を取得したとされている。

「君の名は。」は、中国の映画製作大手会社「光線伝媒」が上映権などを買い取りました。
つまり、中国でどれだけ上映し、どれだけ人気を博したとしてもその収入は権利を買い取った「光線伝媒」が全てを得る形になっているのです。

「国産映画1本の制作コストよりもずっと低い」

中国で1本の映画を作るコストよりも、はるかに安い価格での買い取りになりました。
先述しましたがその利益は全て「光線伝媒」の懐に入るため、日本には金銭的な利益が全くありません。

「君の名は。」は、安売りされたのか?

中国国内での興行収入が6億元(約100億円)以上となる見通しの中、2000万元(約3億3000万円)で権利を売られた「君の名は。」。
この金額ではあまりにも安売りされたのではと感じる方も多いのではないでしょうか?

・外国映画の輸入枠について

中国(厳密には中国本土)では外国映画の輸入(公開)に政府による本数制限がある。

a.枠 一般映画レベニューシェア方式 20本/年
b.枠 一般映画買取方式 30本/年
c.枠 3D/4DX映画(通常レベシェ方式) 14本/年
(少し前に聞いた数字なので今年は少し違ってるかもしれない)

なんと中国では、外国の映画(日本も含まれます)は年間64本しか輸入できない制度があるのです。

そもそも輸入枠全体の9割をハリウッド製が占める中、「日本映画が中国で公開される」こと自体が年数本しかない狭き門で、ブランドが確立してないオリジナル新作アニメが公開に漕ぎ着けた(=3億円ぽっちだがb.枠で売れた)だけでも、結構もうけものなのだ。

中国での「君の名は」の好調を受けて疑問なんだけど、確か日本映画の上映許可って年間2本くらいしか出ないんじゃなかったっけ?中国資本が入ってれば「中国映画」としてバンバン上映できるらしいけれど。この映画は、数少ない2本に入ってるのか、それとも中国資本を受けて作ってるのか知りたい。

この疑問に対して、けろっとさん(‏@kerotto)が以下のように中国の輸入映画事情を開設してくれています。

今年、中国で公開された日本映画は「君の名は。」を含めて11本あります。他は、ボルト、聖闘士星矢、ビリギャル、ドラえもん、寄生獣、ちびまる子、ドラゴンボールZ、クレヨンしんちゃん、ワンピース、コナン。 twitter.com/dtofuku/status…

※今年=2016年

中国で上映される外国映画は「利益配分型」と「買切型」の2形態あり、従来、利益配分型は年間34本まで、年間60〜70本ほどの外国映画の残りは買切型でした。ところが、今年は利益配分型が47本もあります。規制緩和です。これが日本映画が増えた理由の一つ。

今年は昨年のSBMドラえもんの大ヒットにより、日本のコンテンツに魅力を感じての動きが大きいと思いますが、日本映画が増えたもうひとつの理由としては「韓限令」ではないか?と言われています。韓国のサードミサイル配備決定により中韓関係の蜜月も終了、韓国映画が減った…というもの。

ここまでで中国の映画事情がある程度わかります。
しかし大ヒットの「SBMドラえもん」をも超えた「君の名は。」が「一般映画買取方式」で売られた事に抵抗感を感じる人も多くいます。

@Nishimuraumiush 中国の映画業界系メディアは君の名は。は利益配分型って言ってますよ。中国で上映される外国映画はB級作品はともかく、ヒット作はほぼすべて利益配分型です。

こちらでは「君の名は。」が「一般映画買取方式」ではなく、「利益配分型」との解説があります。
しかし「利益配分型」を用いた輸入映画は年間34本しか枠ありません。
そのほとんどがハリウッド映画で占められているいるので、これは恐らく勘違いの情報ではないかと思います。

中国人の反応

「新海誠監督の作品で(2000万元)は安い」
「じゃあ、もう国産映画に投資するのはやめてくれ」
「俺はむしろ、この興行収入は日本人にこそ受け取ってもらいたいと思う」

これらのコメントがインターネットで多くの支持を集めています。

日本人の反応

つか、たった三億円で売ったのか、、、、アホなんじゃないか。
これなら最初から売らないほうがマシでしょう
recordchina.co.jp/a156895.html

中国で公開4日で50億円の興行収入になってる君の名はを中国の配給会社に3億円で買い切りにさせちゃった東宝無能すぎるでしょ。

“@million_lost_fx: 『君の名は。』は、中国の映画製作大手がわずか3億3000万円ほどで配給の権利を取得した
興行収入は6億元(約100億円)以上に達する見通しでその利益のほとんどは日本には還元されない pic.twitter.com/NfFTASylJt”ガーン

批判的なコメントが目立つ印象です。